20160805

長崎オールド送水口と急傾斜暗渠の旅 その3 長崎市公会堂送水口、そして村上製作所漢字表記露出Y型送水口における謎

何という題名と思われたかと想像しますが、気付いてしまったので書いてしまうのです。
仕方ないのです。




さて。



実はこの日長崎に来る前に博多と鳥栖で送水口探索をしてきたのでした。
というわけで、長崎県庁に行ったのはすでに六時過ぎでした。あとは夕食を取るだけ。
というわけで港方面へ。

長崎ターミナルビルで村上製作所壁埋設にご挨拶。

いろいろ斜め・・
差込式村上製壁埋設の特徴の一つは、接続口がとてもすっきりしていることです。
鎖がこんなふうについていると、まるで缶ぽっくり(若い人には伝わらない)。
アクリルの場合には、他のメーカー様よりも少し大きめの蓋が取り付けられます。


夜景も一応撮ってみます。


港でワインを飲みつつ・・と思っていたのですが結局日本酒を飲んでしまったのでこのあとの記録はありません。


さてさて。二日目です。
家族は市電に夢中です。

運転士さん募集のポスターがすごくすごく可愛かったので、応募してみたくなりました。
この中に混ざりたい(本気)


今回のもう一つのおめあて。公会堂です。



どうしてここを知ったかというと、いつもお世話になっている好き好き大好き!な


というブログでこちらの送水口が詳しく紹介されていたからです。
PONTAさんに長崎に行くことをお伝えしたら、他にも見所をいろいろと教えて下さいました。
本当に遅くなったのですが、今回の記事はPONTAさんへの宿題提出を兼ねております<m(__)m>
長崎の旅行内容はPONTAさんがつくってくださったと言っても過言ではありません。

というわけで公会堂の送水口、いきます。


公会堂は既に閉められていました。
なんと勿体ないと素人は思うのですが、きっといろいろ事情があるのでしょう。

ええと、先ずは写真をだだだ、と。










裏側にももう一対。



送水口や防火栓の形については、PONTAさんが詳細かつ緻密に描写なさっているので、
もう是非是非そちらをお読みください。
というわけで今一度リンクを↓



ところで皆さん、
「あれ?」と思いませんでしたか?


いえ、もしかしたら皆さん気付かれていたのかもしれません。
あまりにも明白で口に出していなかっただけかもしれません。

でも私もようやく、正に本日気付くことができたので書きます。



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村上製作所製の漢字表記露出Y型送水口についているロゴマークは

鎖留になっていない!!??

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って


わーーーーーーーーーー
何で、なんで今まで気付かなかったのか!!!
もう恥ずかしいです。悔しいです。

何で今更?と思った方、そっとしておいてください。




いやでも本当にそうかな、と・・・・・・・
写真をがさごそ


新潟市、市庁舎。

ぺったんこ。

市庁舎もう一つ。

こちらもぺったんこ。



日本橋高島屋、あの「街角図鑑」の表紙を飾った、まさに、あの送水口も、

反射するほどにぺったんこ・・・・ 


築地のこちらも、
あああ、ぺったんこ。




問題は、これが【何を意味しているのか???】ということです。

恐らく手がかりになることは三つ。

これらより古い、英語表記および片仮名表記の村上製露出Y型送水口たちのロゴは
鎖留になっていること。

【事実】
「漢字送水口が一般的になり、しばらくしてから製造された漢字表記露出Y型送水口では
ロゴが鎖留になっている送水口もある、かもしれない」ということ。
【送水口博物館館長談】

よく考えたら、漢字表記露出Y型送水口において、
村上製作所「純正品」の金属蓋、および鎖を見たことがないということ。
【私の経験】(↑の例を参照のこと)



①~③までで導き出される簡単な答えは、

【漢字表記送水口にするときに、蓋と鎖の製造を止めた】

です。
では、なぜそうしたか。

いや、その前に
「そんなことが許されるのか?」
という疑問が湧いてきます。

蓋は、ごみがたまったり、悪戯をされるのを防いだりするために付けねばなりません。

それでも、蓋が無ければ有事の際にすぐに使用できます。蓋の存在は面倒でもあります。
また、金属製の蓋は重く、高価です。
この部分がなければ少しでも価格が抑えられます。


送水口がステイタスであった時代は終わりを告げていました。
たくさんの送水口が求められ、豪華さやデザイン性は後回しにされたのでしょう。






そうです。
【取り外しが簡単で、安価な蓋にした】いえ、【せざるを得ないようにした】
のではないでしょうか。





一世を風靡した村上製作所製送水口に付けられた、赤ポリキャップ。
これを付けるために、蓋とロゴ鎖留を止めた。


この赤ポリキャップ、中央にMのロゴマークが入り、側面にはあの「銅線トンネル入口」が邪魔にならないような切込みがあります。このあたりに、村上製作所様のこだわりが感じられます。


非常時に簡単に取り外せて価格も手ごろ。
この考え方は他のメーカー様にも波及したようです。
或いは一斉にそのように決めたか。

例えばこちら。消火栓機工様の場合。

南北製作所様の場合。

岸本産業様の場合。










しかしこの後、メーカーごとのポリキャップは減り、「日本消火栓設備器具協会」のキャップが主流になっていきます。



ただ、ポリキャップはだんだんと色落ちしていきます。
赤インクが褪色してしまい、意味不明なポスターになってしまうことと何か関係があるのでしょうか。
こちらも、だんだんと白く劣化していきます。














こういう事例が後を絶たなかったからか、
或いはやはり金属蓋の美しさ、重厚さが求められていたからか、
金属蓋への需要が廃れることはありませんでした。

実際に、村上製作所の漢字表記露出Y送水口に純正品ではない金属蓋がついているのは、
その表れかもしれません。
それがゆえに、村上製作所製送水口でも純正品ではなくとも蓋を付けるようになったのかもしれません。

これは、差込式において同じ経緯でアクリル蓋が大流行し、しかし今また金属蓋へと回帰している現象にも繋がるのかも。



そして、このように考えると、あの、私が「虐待し過ぎてる!!」と嘆いていた物産ビル別館の「よりどりみどり送水口」の謎も解けます。




ロゴマークの上に別の部品を付けちゃう。
酷い、酷過ぎます。しかし、設置者が村上製送水口の、あの「たゆんとした鎖カーブ」を求めていたのだとしたら。ここに付ける他はないのです。

そして、蓋もまた別の会社のものを使っていたことも、なるほど、と。





で、何故か不思議なのは、「壁埋設の一部や自立型の方はちゃんと純正品の鎖と蓋をつくり、使い続けている」ということなのですが、こちらはもう少しお勉強してからご報告致します。













ということで今回は村上製作所漢字表記露出Y型送水口について・・・・


って、あれ?

長崎編が全く進んでいません。
次回こそ、進めます。
進めたいです。

次回で三大老舗メーカー様の送水口が揃います!
乞うご期待!なのです!!

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